Wednesday, July 06, 2016 1:08 PM

物価上昇に「もっと確信持ちたい」 タルーロFRB理事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のタルーロ理事は6日、ワシントンで開かれたイベントで、物価が目標の2%上昇に近づいていることに「もっと確信を持ちたい」と述べ、追加利上げに慎重な見方を示した。適切な政策金利の水準は経済に影響を及ぼすさまざまな要因によって決まると指摘し、そうしたことと関係なく金利水準を「正常化」すべきだとする考え方には賛同しないとも述べた。ダウ・ジョーンズ通信が伝えた。

 現在の物価上昇は、エネルギー安による物価押し下げ効果が和らいできたためだとし、米経済は「熱くなった」状態にはないとした。仮に経済が過熱してもFRBには適切な対応手段があるが、景気後退に陥った場合の手段は限られると述べ、こうした状況は追加利上げにゆっくりと取り組むことを後押しするものだとした。

 英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したことに対して、世界の金融システムはこれまでのところ「かなりうまく対応している」とし、FRBは離脱の決定が米経済に及ぼす影響を見極めているところだと述べた。離脱決定に対する米国における反応は、今のところ、大方の予想通りだとも述べた。(共同)