Monday, July 11, 2016 10:44 AM

南シナ海、初の司法判断へ 中国の権益主張の是非焦点

 南シナ海のほぼ全域で中国が主張する主権や権益は国際法に反するとして、フィリピンが国連海洋法条約に基づき申し立てた仲裁手続きの判断が12日に示される。南シナ海問題を巡り国際司法機関が初めて下す判断となる。中国の主張の根拠となる独自の境界線「九段線」について、どのような見解が示されるか注目される。

 中国は南シナ海の大半を囲い込む九段線を根拠に、人工島造成など軍事拠点化を進めている。中国は仲裁判断を無視する方針だが、判断の内容次第では国際社会の批判が高まり、中国の反発などで南シナ海情勢が一気に緊迫化する恐れもある。

 仲裁判断では、南シナ海で中国が実効支配する岩礁などが条約で定義される「島」と認められるか否かも焦点。いずれも島ではないと判断された場合、排他的経済水域(EEZ)が発生しないため、中国が南シナ海で広大な権益を主張する国際法上の根拠が揺らぐことになる。(共同)