Friday, July 15, 2016 10:28 AM

南シナ海の平和解決要請 安倍首相、仲裁判断受け

 安倍晋三首相は15日午後、中国の李克強首相とモンゴル・ウランバートルで会談し、南シナ海での中国の主権主張を否定した仲裁裁判所判断を受け、紛争の平和的解決を要請した。李氏は干渉しないよう要求した。戦略的互恵関係に基づく日中関係の安定化や、テロ根絶への協力では一致した。同日開幕のアジア欧州会議(ASEM)首脳会議では、16日発表の議長声明に南シナ海問題への言及を求める日本などと、拒否する中国が激しく対立した。

 約30分間の会談で安倍首相は、南シナ海問題に関し、中国による軍事拠点化への懸念を伝達。同時に「法の支配の下で紛争を平和的に解決することが重要だ」と強調した。中国国営通信の新華社によると、李氏は「日本は騒ぎ立てたり干渉したりしてはいけない」と述べ、対応を批判した。

 東シナ海情勢で安倍首相は、中国艦船が沖縄県・尖閣諸島の接続水域に侵入した事態などを踏まえ、中国軍の動向に対する懸念も伝えた。(共同)