Friday, June 02, 2017 10:58 AM

マスクら、大統領助言者を辞任〜パリ協定離脱の表明受け

 米国が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱するとトランプ大統領が表明したことを受け、EV大手テスラのイーロン・マスクCEOと娯楽大手ウォルト・ディズニーのロバート・アイガーCEOは1日、ホワイトハウスの大統領助言委員会の委員を辞任すると発表した。ロイターが伝えた。

 両氏は、大企業経営者らによる経済政策の助言組織として設置された「大統領戦略・政策フォーラム」のメンバー。マスク氏の場合、大統領の製造業雇用評議会のメンバーも辞任する。同氏は太陽光パネルや蓄電池も販売するテスラを率い、再生可能エネルギーの普及を目指しているだけに米国の協定離脱は事業の方向性に反する。

 マスク氏は報道で米国がパリ協定から離脱する見通しだと伝えられた後、ツイッターで大統領を説得する意向を示しつつも、もし離脱すれば助言役を「辞任する以外の選択肢はない」と投稿していた。1日のツイッター投稿では、マスク氏は「気候変動は現実だ。パリ協定からの離脱は米国や世界にとって良くない」と表明した。

 アイガー氏も同様にツイッターで「理念に関わる問題として、協定離脱の表明を受けて大統領の委員会を辞めた」と公表した。

 大統領助言委員会は、2016年12月に大統領就任前のトランプ氏が立ち上げたが、これまでに配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズのカラニックCEOが辞任している。

 一方で、資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク氏は1日夜、協定離脱に関する意見を保留しながらフォーラムの委員は続けると話した。