Wednesday, August 10, 2016 10:19 AM

高額がん薬、効く患者解明 医療費抑制へ大規模研究

 効果は著しいが高額な新しいタイプのがん治療薬「オプジーボ」について、日本赤十字社医療センター(東京)を中心とした全国34の医療機関が、どのような患者に効くのかを早期に見極める大規模研究を開始した。高騰する薬剤費の抑制を図る狙いだ。国立がん研究センター(東京)などのグループも、効果的な投与期間を探る研究を来年度中にも始める予定。

 オプジーボは免疫の働きを利用する新薬で、肺がん患者の2〜3割に高い治療効果があるとされる。しかし価格も高く、体重60キロの患者で年間約3500万円かかる。事前にどの患者に有効かを予測することが難しい上、いつまで使い続けるべきなのか基準がなく、際限なく薬剤費が膨らむ恐れが指摘されている。

 そこで、日赤医療センターなどは成人患者約300人を約2年間、経過観察。結果的に治療効果があった患者と、なかった患者の特徴を分析し、効果が見込める患者を早い段階で見極めるための指標を作る。

 日赤医療センターの国頭英夫化学療法科部長は「無駄な投与を防ぐことで副作用を抑え、医療費も削減できる」と話す。(共同)