Monday, August 15, 2016 11:27 AM

17年ぶりの世界記録更新 24歳ファンニーケルク

 世界を驚かせる万能型スプリンターの快走だった。男子400メートルは昨年の世界選手権王者で急成長する24歳のウェード・ファンニーケルク(南アフリカ)が43秒03の驚異的な世界新記録で初の五輪王者に輝いた。尊敬するマイケル・ジョンソン(米国)の世界記録を17年ぶりに0秒15更新。「夢に見た瞬間だった。塗り替えられると信じていた」と感激に浸った。

 南アフリカ選手の同種目優勝は1920年アントワープ五輪以来で96年ぶりの快挙。外側の8レーンから勢いよく飛び出すと、力強い走りで終盤もスピードが落ちず、前回ロンドン五輪金メダルのジェームズ(グレナダ)、2008年北京五輪覇者のメリット(米国)らライバルを寄せ付けなかった。ボルト(ジャマイカ)も「信じられない才能で次代のスター候補だ」と称賛した。

 陸上一家に生まれ、天性のバネを武器にもともとは走り高跳びを得意とした。今季は100メートルで9秒98を出し、200メートルでも19秒台と切れ味鋭いスピードを併せ持つ。183センチ、70キロとしなやかな体格で伸びやかに走り、400メートルで前人未到の「42秒台」も視界に捉えた。(共同)