Monday, August 15, 2016 5:44 PM

中立金利低下で政策枠組み見直し必要 サンフランシスコ連銀総裁

 サンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は15日公表された連銀の経済レターで、経済成長に中立的な金利の水準(中立金利)が、金融危機以降に大きく低下しており、対応するためには政策枠組みの修正が必要だとした。将来の特定時点の物価を目標に定める「物価水準目標」や、目指すべき名目国内総生産(GDP)の成長率に向けて金融緩和を続ける「名目GDPターゲティング」の検討を促す一方、財政をはじめとする金融政策以外の政策も経済成長の下支えに動くべきだと主張した。

 総裁は、中立金利が低いと政策金利も上がらず、景気後退時に経済を支えるための金利下げ余地が小さくなると懸念を表明。中立金利の低下には世界的な資金需給の変化が関係しているとし、背景には生産性や成長率の低下、社会の高齢化、新興国市場における安全資産への逃避の動きなどがあると説明した。

 中立金利の引き上げには、金融政策だけでは限界があると述べ、政府の財政出動が金融緩和と同様に重要な役割を果たすと強調。インフラ投資や教育投資、調査・研究に政府として力を入れることが長期的な成長率を高めるのに役立つと指摘した。(共同)