Tuesday, August 16, 2016 10:39 AM

「独裁主義」と政権批判 シンガポール首相の実妹

 シンガポールのリー・シェンロン首相の実妹であるリー・ウェイリンさん(61)が自身のフェイスブックで連日にわたって、兄の政権を「独裁主義」などと痛烈に批判し、物議を醸している。政権批判が公になることがないシンガポールでこうした発言が表に出るのは異例で、リー首相は対応に苦慮している。

 ウェイリンさんは昨年死去したリー・クアンユー初代首相の長女だ。科学者となり、現在は国立神経科学研究所の上級顧問。騒動の発端は、政府が7月に議会に提出した法案。審理中の刑事裁判を妨害したり、先入観を抱かせたりする言動に罰金や禁錮刑を科す内容で、ウェイリンさんは言論の自由が脅かされると異議を唱えている。

 今月14日にはフェイスブックに「シンガポール国民は独裁主義の政府に慣れてしまったのかもしれない」と書き込んだ。同法は15日、賛成多数で成立した。(共同)