Tuesday, August 23, 2016 11:28 AM

サウジ副皇太子が初訪日へ 安倍首相と会談

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(30)が、就任後初めて31日から日本を訪問し、安倍晋三首相らと会談することが23日分かった。複数の外交筋が明らかにした。ムハンマド副皇太子はサルマン国王の息子で、異例の若さで国防相と国家経済評議会議長を兼務。最高実力者の一人として、石油依存からの脱却を目指す経済改革を主導している。

 副皇太子は今回、日本と中国を歴訪。日中両国に民間投資の拡大を促す狙いがあり、副皇太子が進める改革「ビジョン2030」への協力を強く求める。日本側は安全保障も含め幅広い2国間関係強化につなげる考えで、国家元首級として厚遇する。安倍首相との会談では、過激派組織「イスラム国」(IS)対策も議題となりそうだ。

 ムハンマド副皇太子は昨年1月に即位したサルマン国王の信頼が厚く、軍事・経済の両面で強大な権限を握った。経済面では石油依存を脱するため、国営石油会社アラムコの株式上場を決断。国営企業の民営化と外資の導入で経済構造の転換を図っている。一方、隣国イエメンへの軍事介入や、対立するイランとの断交などの強硬策は、副皇太子の意向を反映しているとの見方が強い。(共同)