Wednesday, August 24, 2016 9:58 AM

元慰安婦に1人1000万円 245人へ現金、故人も

 外務省は24日、元慰安婦支援を目的に韓国財団に拠出する10億円の支出内容を発表した。財団が死亡者を含む元慰安婦245人に現金を支払う。医療や介護などに関する費用を想定している。日韓が合意した昨年末時点の生存者46人に1人当たり約1000万円、同時点の故人199人の代理人に約200万円を上限として渡す。岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は午後、外務省で会談し、未来志向の両国関係を推進する考えで一致した。

 10億円拠出に関し、日韓両政府は「全ての慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復および心の傷の癒やしのための事業」への支出と表現した。法的責任はなく賠償金に当たらないとする日本と、賠償金としての性格を印象付けたい韓国の双方が、互いに受け入れ可能な言い回しにした形だ。安倍政権は今回の措置を受け、核兵器開発を進める北朝鮮をにらんだ日韓協力の前進を図る。

 政府は24日、10億円拠出を閣議決定した。2016年度予算の予備費から近く支出する。菅義偉官房長官は記者会見で「資金の支出が完了すれば日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる」と述べた。(共同)