Wednesday, June 22, 2016 10:13 AM

北朝鮮ムスダン初成功か 新型ミサイル、高度1000キロ超

 北朝鮮は22日朝、東部元山付近から移動式の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程2500〜4000キロ)とみられるミサイル2発を発射した。いずれも日本海に落下したとみられ、防衛省によると、2発目は約400キロ飛行し、高度は1000キロを超えた。北朝鮮がムスダンの発射実験を初めて一定程度、成功させた公算が大きい。日本政府は「明白な国連安全保障理事会決議違反だ」と非難、北京の大使館ルートで北朝鮮に厳重抗議した。

 北朝鮮は4〜5月にかけてムスダンとみられる4発を発射したが、いずれも直後に爆発するなど失敗していた。中谷元・防衛相は22日、記者団に対し、中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が示されたと明言。日本に到達する可能性は十分考えられると指摘し「わが国の安全保障に対する深刻な懸念だ」と述べた。

 ムスダンは米軍の要衝、米領グアムを射程に収めるとみられ、核兵器開発を続ける北朝鮮の軍事的脅威が一段と高まった。日米は韓国と共にミサイル防衛(MD)体制の強化を急ぐ構えだ。北朝鮮の配備済みミサイルのうち日本を射程に収めるのは、これまで中距離ノドン(射程1300キロ)だけだった。(共同)