Wednesday, August 24, 2016 10:45 AM

トルコ軍がシリア地上侵攻 内戦下で初、対イスラム国

 トルコ軍の戦車部隊が24日午前4時(日本時間同午前10時)ごろ、国境を越えてシリア領内に入り地上作戦を開始した。トルコ政府によると、過激派組織「イスラム国」(IS)が拠点とする国境近くのシリアの町ジャラブルスの「解放」が目的。米軍機などが上空から支援し、米国やトルコが支える反体制派「自由シリア軍」の戦闘員らが同行した。

 トルコ軍は最近、シリア領への越境砲撃などを行っていたが、本格的な地上作戦はシリア内戦が始まって以降初めて。エルドアン大統領は「シリア北部でトルコを脅かすISや(少数民族クルド人組織の)民主連合党(PYD)などのテロ組織」が攻撃の対象だと述べ、正当性を主張した。シリア外務省は「露骨な主権侵害だ」とトルコを非難し、作戦停止を求める声明を発表した。

 バイデン米副大統領は24日、トルコの首都アンカラを訪問しユルドゥルム首相らと会談した。米政府はPYDなどクルド人勢力を支援する一方、トルコとの協力関係維持を求めており、難しい対応を迫られる。バイデン氏は、7月のクーデター未遂の首謀者としてトルコが引き渡しを求める在米のイスラム指導者ギュレン師の問題についても協議。(共同)