Wednesday, August 24, 2016 10:45 AM

日中、9月首脳会談で調整 両外相、尖閣は平行線

 岸田文雄外相は24日、中国の王毅外相と外務省で会談し、9月初旬に中国で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の際の日中首脳会談開催に向け、調整を進めることで一致した。谷内正太郎国家安全保障局長が同日から北京を訪問。中国外交担当トップの楊国務委員(副首相級)と協議し、G20成功へ協力強化を図る。中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵入や南シナ海問題では双方が主張を展開し、平行線となった。

 安倍晋三首相と中国の習近平国家主席との会談が実現すれば昨年4月以来。日中両国は尖閣情勢や南シナ海問題で対立を深めていたが、世界経済の失速回避が議題のG20を前に対話に向け歩み寄った。日本側は2012年の習指導部発足後初となった中国外相の訪日と今回の会談を首脳間対話の実現につなげ、尖閣を巡る事態の打開と日中関係の改善を図る考えだ。

 外相会談で岸田氏は今月、中国が多数の公船を尖閣周辺に派遣した件に関し「一方的な行動は認められない」と抗議し、沈静化と再発防止を求めた。尖閣を巡る状況改善を前提としつつ「G20での首脳会談を含め、対話を通じて関係改善を進めたい」と述べ、首脳会談の開催を呼び掛けた。(共同)