Tuesday, October 09, 2018 12:03 PM

東証で株式システム障害 大量データ誤送信が原因

 東京証券取引所で9日朝、株式売買などのシステムで障害が発生し、大手証券など一部が顧客からの注文を一時停止した。東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)は、特定の証券会社から大量の電子データが誤送信され、処理能力を上回ったことが原因だと発表した。データの情報量は数十秒間に想定の千倍以上に上ったという。システムに接続する証券会社90社中40社弱に影響が出た。10日は午前9時から通常通り株式売買などができるようになるとの見通しを示した。

 関係者によると、データを誤送信していたのはメリルリンチ日本証券で、何らかの設定ミスがあったとみられる。金融庁はJPXに、原因や再発防止策を報告するよう求める方針だ。東証では2005年にも大規模なシステム障害を起こしており、再発防止策の早期策定を迫られそうだ。

 JPXは9日午後に東証内で記者会見を開き、システム部門を担当する横山隆介常務執行役が「投資家に多大なる影響を及ぼし、おわび申し上げます」と陳謝した。顧客に悪影響が波及した恐れがあるが「被害の件数、金額の把握は難しい」と指摘。誤送信した証券会社の社名も明らかにしなかった。(共同)