Friday, August 26, 2016 10:23 AM
共謀罪、名称変え再提出へ 対象「犯罪集団」に限定
政府が過去3回にわたり国会で廃案となった「共謀罪」の名称と構成要件を変えた組織犯罪処罰法の改正案を9月の臨時国会に提出する方向で調整していることが26日、分かった。2020年東京五輪に向けたテロ対策を強調し、罪名は「テロ等組織犯罪準備罪」に変更。捜査機関の拡大解釈と乱用を危惧する意見に対応するため、対象を「組織的犯罪集団」に限定し、単なる共謀だけでなく「準備行為」も要件に加える。
共謀罪は、殺人などの重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰され、対象犯罪が広範囲にわたるため、日弁連や刑事法学者から「市民団体や労働組合も対象になり得る」との声が出て廃案になった。法務省は国会で「乱用の危険はない」と主張する構えだが、慎重意見が根強く、審議には曲折が予想される。
法案が提出されれば、09年7月の衆院解散で廃案になって以来、初の国会審議となる。菅義偉官房長官は26日の記者会見で「国民の安全、安心を確保することは政府の重要な責務だ」と述べ、法整備が必要との認識を示した。(共同)
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