Wednesday, October 10, 2018 10:11 AM

三木首相が周首相に親書 日中平和友好条約締結訴え

 1974年12月、当時就任したばかりの三木武夫首相が中国の周恩来首相宛てに日中平和友好条約の早期締結を訴える極秘の親書を送っていたことが10日までに分かった。周首相の腹心だった中日友好協会初代会長、廖承志氏に親書を届けた南村志郎氏(89)=北京市在住=が証言した。

 条約交渉は難航し、調印は次期福田政権下の78年8月にずれ込んだ。しかし、親書の送付は、72年9月の国交正常化後の対中関係を重視した三木首相の在任中の条約締結への強い意欲と、当時の微妙な日中関係を物語る史実と言える。

 長年、日中の懸け橋役を務めた南村氏の証言は条約締結40周年に合わせた著書「日中外交の黒衣六十年 三木親書を託された日本人の回想録」(編者川村範行、西村秀樹)に収録された。(共同)