Wednesday, October 10, 2018 10:12 AM

被害女性、ただ泣くだけ 兵士ら、罪の意識なく

 性暴力を誇らしげに語る兵士らに罪の意識はない。被害者の女性は人知れず涙を流す。紛争下のコンゴ(旧ザイール)東部。女性たちの治療に尽力する産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏(63)のノーベル平和賞受賞が5日、決まった。だが、レアメタル(希少金属)が豊富なこの地域で戦闘は続き、性暴力がやむ兆しはない。

 昨年7月、東部ブカブ郊外の山中。夕闇が迫る中、主婦ノエルさん(40)は露店で売る豆を市場で仕入れ、約30人の女性と雑談をしながら家を目指していた。「止まれ。逃げたら殺す」。反政府勢力の民兵がやぶの中から大勢現れた。男2人から30分以上暴行を受けた。男たちは無言だった。

 紛争の背景には、コンゴの鉱物資源を欲しがる外国企業の存在がある。「欧州や中国の企業が、反政府勢力に膨大な金を払い採掘している」。貿易に携わり、ベンツを乗り回す隣国ルワンダ人の30代の男性が証言した。(共同)