Wednesday, October 10, 2018 10:12 AM

トランプ政権、初の核実験 昨年末、臨界前28回目

 米国が昨年12月、プルトニウムを用い、核爆発を伴わない臨界前核実験をネバダ州で実施していたことが10日、分かった。エネルギー省傘下の核安全保障局(NNSA)が四半期ごとの報告書で明らかにした。臨界前核実験は、トランプ政権下で初めてで、米国として5年ぶり28回目。新たに開発した技術の性能を試す実験で、今年12月にも別の新技術の性能を調べる実験を計画しているとしている。

 トランプ政権は今年2月、核兵器を「使える兵器」として役割の拡大を目指す方針を発表。今回の実験は、この構想を推進する姿勢を強く示したと言える。北朝鮮に非核化を迫る一方、国内では核兵器の役割を強化するトランプ政権に、反核団体からの批判が強まる可能性がある。

 「ベガ」と名付けられた今回の実験は、オバマ前政権が実施した2012年12月以来。核反応を開始させる「爆縮」と呼ばれる過程に、通常の爆薬よりも反応が鈍く、偶発的な爆発の可能性を低くした「低感度爆薬」を採用し、その性能を試した。NNSAは「新設計の核兵器の有用性を確認できた」とコメントしている。(共同)