Friday, October 19, 2018 10:09 AM

再生医療の監視強化 厚労省、ルール無視防止

 厚生労働省は19日、再生医療の監視体制を強化すると決めた。再生医療安全性確保法に基づく省令を改正し、事前審査を厳格化するほか、専門家らによる評価や利害関係がない複数の委員の参加を義務付ける。来春から施行する。自由診療クリニックで、安全性や有効性の不明確な治療がルールを無視して行われる事例が相次ぎ、健康被害が出かねないため、規制を厳しくする。

 本庶佑京都大特別教授がノーベル賞に決まったことに便乗し、科学的根拠の乏しいがん免疫細胞療法が増えるのではないかと懸念されており、こうした治療にも規制の網をかける。

 同法は、人工的に手を加えた細胞を患者の体内に移植する治療を再生医療と定義し、健康リスクなどに応じて3段階に分類している。最もリスクが小さいとされる第3種では、全国に約100カ所ある審査委員会が、医療機関の計画を事前審査し、認められれば実施できる。(共同)