Friday, October 19, 2018 10:14 AM

米と対立激化、成長圧迫 改革棚上げ、安定最優先に

 中国の今年7〜9月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除く実質で前年同期比6.5%増と4〜6月期から減速した。中国政府が景気の先行きに対する危機感を一段と強めるのは確実だ。米国との貿易摩擦は対話を通じた解決に失敗し、大規模な制裁合戦に突入。中国の成長自体を抑え込もうとする米国との対立は激化の一途をたどり、解決の糸口すら見えない。

 安定成長の前提だった米国との良好な関係が崩れたことで、中国は構造改革を棚上げせざるを得ない状況に追い込まれ、経済の安定を最優先する方針に転換した。

 米中が互いに追加関税を掛け合う制裁措置によって、中国の輸出型企業で受注が落ち込む影響が広がっているほか、国内の物価上昇圧力も高まってきた。専門家からは物価高と景気後退が同時に起こる「スタグフレーション」を懸念する声も上がり始めた。(共同)