Tuesday, October 30, 2018 10:07 AM

ファナック、IT需要に陰り〜通期予想を下方修正

 産業用ロボットと工場自動化(FA)設備大手ファナックが29日発表した2019年3月期の連結営業利益予想は、1509億円(13億5000万ドル)と前回予想の1594億円から下方修正した。企業の技術関連支出の低下が予想されることと、貿易摩擦の激化が理由。

 ロイター通信によると、同社は「前年度に活発だったIT関係の一時的な需要が、現時点では見込めないことに加え、国家間の貿易摩擦問題の動向とその影響、為替の動向をはじめとするさまざまな不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続く」と説明した。

 17年は中国で工場などのFA設備の需要が急増した。しかし投資家らは、米中の貿易摩擦が激化する中で中国の需要が減速することを懸念している。

 ファナックの報道資料によると、18年7〜9月期の連結売上高は前年同期比9.5%減の1622億円、連結営業利益は同22.8%減の439億円で減収減益だった。

 部門別売上高では、FA部門が同4.0%増の587億円だったが、ロボット部門は同4.0%減の529億円、ロボマシンが同41.4%減の267億円と減少した。サービス部門は同8.6%増の239億円と堅調だった。

 また、4〜9月期の連結売上高は前年同期比0.8%減の3450億円、連結営業利益は同8.4%減の984億円だった。