Thursday, November 08, 2018 10:10 AM

冷戦の象徴、開発か保存か ベルリンの壁検問所

 冷戦の象徴としてスパイ小説にも登場する東西ベルリン間の旧検問所「チェックポイント・チャーリー」を巡り、開発か保存かで地元が揺れている。米国と東ドイツ双方が構えた検問所は1989年のベルリンの壁崩壊後に撤去。跡地の多くは遊休地のままだが、商業ビル建設構想が近年浮上し、市民からは「建設で歴史的な場所の雰囲気が損なわれる」と現状保存を求める声が上がる。

 ベルリン中心部のビル街にあるチェックポイント・チャーリー。観光バスが次々と発着する通りの中央には冷戦期の米軍検問所が復元され、記念撮影する各国の人々でにぎわう。ベルリン有数の観光名所で、年間約200万人が訪れる。

 約30メートル先の交差点はかつての東西ドイツ国境で、61年のベルリンの壁建設直後には米ロの戦車が対峙する冷戦の最前線となった。東ドイツ国境警備隊は米側と向き合う形で監視塔と広大な検問所を設置。東ベルリンと壁で囲まれた西ベルリンを結ぶ数少ない場所として、外国人旅行者や西側外交官が厳重な見張りの下、国境を越えた。跡地には現在、壁の歴史を紹介する仮設の施設が立つ。(共同)