Thursday, November 08, 2018 10:14 AM

中豪、関係改善で一致 米にらみ同盟揺さぶり

 中国とオーストラリアの外相が8日、北京で会談し、両国関係を改善させることで一致した。両外相が記者会見で明らかにした。オーストラリアでの対中不信を背景に両国関係は冷え込んでいたが、米中対立が続く中、中国は経済協力強化を望むオーストラリアに接近。米豪の同盟を揺さぶる狙いがあるとみられる。

 中国の王毅国務委員兼外相は会見で「自由貿易を守り、市場を開放させることで一致した」と訴え、保護主義的な傾向を強める米政権をけん制。オーストラリアのペイン外相は「中国と全面的な戦略パートナーシップを深める」と強調した。

 オーストラリアのターンブル前首相が昨年、中国などによる不当な政治干渉を阻止するため、外国人による政治献金を禁じる法案を議会に提出したことで両国関係は悪化。ただオーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国で、輸出入への悪影響を懸念する声も上がり、8月に発足したモリソン政権は関係正常化に乗り出した。(共同)