Wednesday, November 28, 2018 10:14 AM

核合意崩壊、重大危機招く イラン副大統領が警告

 イランのサレヒ副大統領兼原子力庁長官は27日、トランプ政権の離脱で崩壊の瀬戸際にある核合意について「失われれば、何が起きるか誰も予測できない事態に陥る」と警告、既存の国際秩序を乱す重大な危機を招くとの認識を示した。日本を含めた各国に合意存続への協力を要請した。訪問先のブリュッセルで共同通信と単独会見した。

 イランは核合意を順守するが、米国の離脱に伴う制裁再開で経済が疲弊。核開発政策の要を担うサレヒ氏は、約束を守るイランが苦境に陥ることは是認できないと強調、合意離脱を辞さない姿勢を鮮明にした。アラグチ外務次官も27日、単独会見で「イランが核合意から得る経済的恩恵はゼロに近づいている」と述べ、離脱を真剣に検討していると表明した。

 イランの核開発拡大は、同国と中東の覇権を争うサウジアラビアなど周辺国を開発競争に走らせ、国際的な核不拡散体制を揺るがす恐れがある。サレヒ氏は米国の圧力で合意が崩壊すれば「国家間の信頼が失われ、どの国も相手国を信用できなくなる。ある国の決定が別の国の報復を呼ぶ悪循環に陥る」と指摘した。(共同)