Friday, November 30, 2018 9:10 AM

覇権争い、米中譲らず 貿易問題解決見えにくく

 トランプ大統領と中国の習近平国家主席が12月1日に20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて会談する。最大の焦点は貿易問題の行方だ。世界1位の経済力を持つ米国は、2位に急成長を遂げた中国への警戒を強めている。貿易摩擦は米中の覇権争いという側面があるだけに双方譲れず、根本的な解決を見いだしにくい状況だ。

 「米国を利用してきたことで今の中国になったんだ」。トランプ氏は26日の演説で、巨額の対中赤字などへの不満をあらわにした。モノの貿易赤字は国別で最も多く、1〜9月に3000億ドル(約34兆円)を超え前年同期から1割増加。歴代の大統領はこの不均衡を看過してきたと非難した。

 米議会も先端技術の移転強要など中国の不公正な貿易慣行への懸念を強めている。中国がハイテク分野で米国を追い越すような事態になれば、軍事的な優位も失われかねず、トランプ氏は追加関税の対象を中国からの輸入品全てに拡大することも視野に入れる。(共同)