Tuesday, December 04, 2018 9:51 AM

ゴム製品200種で検査不正 三菱電機系、新幹線に使用

 三菱電機の完全子会社トーカン(千葉県松戸市)は4日、新幹線を含む鉄道車両やエスカレーターに使われる253種のゴム製品で、品質に関する検査を省略するなどの不正があったと発表した。顧客との契約に違反して仕様が不適合なまま出荷していた。不正があった製品の性能を点検し、安全性は確認できたとしている。1月末に不正を把握したが、顧客への個別対応を優先し、これまで公表していなかった。

 トーカンの松岡達雄社長は東京都内で記者会見し、不正行為を「深くおわびする」と謝罪。過去に在籍した品質保証などを担当する3人の部長らが不正に関与していたことを明らかにし「組織レベルで行っていたのが実情だ」と述べた。不正発覚後も一部の不適合な製品を出荷していた。

 三菱電機は今回の不正行為が「重大な法令順守の違反」であるとして、トーカンの品質保証体制への監督・指導を強化する。トーカンは外部の専門家を交えた社内調査委員会を設置して不正の原因や背景を調べ、関係者を処分する方針だ。(共同)