Wednesday, December 05, 2018 9:19 AM

米、INF破棄で最後通告 「60日以内」ロシアに順守要求

 ポンペオ米国務長官は4日、トランプ大統領が破棄方針を表明した米国とロシアの中距離核戦力(INF)廃棄条約について、ロシアが条約を守らなければ米国は同日から60日以内に条約履行をやめると述べ、ロシアに最後通告を突き付けた。北大西洋条約機構(NATO)外相理事会が開かれているブリュッセルでの記者会見で語った。

 NATO側はロシアによる核弾頭搭載可能な地上発射型巡航ミサイルの開発、配備を条約違反だと非難。ロシア外務省は「条約を順守している」と反論した。ロシアが新型ミサイルを廃棄する可能性は低く、短・中距離の核兵器運搬手段の全廃を柱とし、冷戦終結後の欧州安全保障を支えた条約は終了する恐れが一層強まった。

 規定では、正式通告から6カ月後に条約が破棄される。そうなれば、軍縮機運の後退は避けられず、米露が冷戦期のような歯止めなき核軍拡競争に陥る懸念がある。(共同)