Thursday, December 06, 2018 9:12 AM

北朝鮮工作員か、書類送検 詐欺容疑、キーマン可能性

 成田空港で他人名義のクレジットカードを使い、化粧品を大量購入したとして、千葉県警が今年6月、詐欺の疑いで、北朝鮮の工作員とみられる朝鮮籍の男性(65)=埼玉県=を書類送検していたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。男性は2012年、北朝鮮の故金正日総書記の専属料理人だった藤本健二氏(仮名)に対し、金正恩朝鮮労働党委員長のメッセージを伝えていたことも判明。捜査当局は、男性が日本における工作活動のキーマンの可能性があるとみている。

 捜査関係者によると、男性が成田空港で購入した化粧品といった商品を、中国の北京などを経由して北朝鮮へ不正に輸出していた疑いも浮上している。県警は外為法違反(無承認輸出)の疑いで捜査しており、千葉地検が上級庁と協議を進め、税関とも連携して実態解明を急いでいる。

 男性は、朝鮮系中国人がインターネット販売する化粧品などの購入を、知人の日本人に依頼。16年11月、この知人に別の日本人名義のクレジットカードを使わせ、成田空港の免税店で大量の商品を買わせて、詐取した疑いが持たれている。男性も事情聴取に経緯を認めたという。(共同)