Friday, December 14, 2018 9:18 AM

厚労省に他省立ち入り権限 障害者雇用、法改正へ

 中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、政府は14日、障害者雇用促進法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。厚生労働省が、他省庁や地方自治体などの行政機関に立ち入り調査できる権限規定を新たに設ける。各機関に対し、障害者手帳の写しなど雇用に関する書類の保存も義務付ける。月内にも、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に提案、議論する。

 現行法では、民間企業に対する厚労省の調査権限はあるが、行政機関に対してはなかった。このことが長年にわたる不適切計上の一因となったとの指摘もあり、政府は厚労省に強制力を持たせ、再発防止を徹底させたい考えだ。 

 実際の調査は厚労省のほか、各地のハローワークが実施。書類保存は現状では民間企業は省令で求められている。省令は「事業所ごとに、医師の診断書や障害者であることを明らかにできる書類を備え付けるものとする」と規定。障害者が退職や解雇となってからも3年間の保存を求めており、これを法律に格上げし、国と民間の双方に保存を義務付ける。立ち入り時に確認できるようにするが、違反しても罰則規定は設けない。(共同)