Friday, December 14, 2018 9:20 AM

辺野古に土砂投入 政府、埋め立て本格化

 政府は14日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部で土砂投入を始めた。埋め立てが本格化し、原状回復は困難になった。辺野古移設に反対する県は反発。来年2月に実施する県民投票で民意を明確にし、対抗する構えだ。玉城デニー知事は辺野古沖合に存在が指摘される軟弱地盤の改良工事を巡り、将来的に知事権限を行使する考えも示した。日米両政府による1996年の普天間返還合意から22年を経て、移設問題は新たな局面に入った。

 玉城知事は県庁で記者会見し「県の要求を一顧だにせず、土砂投入を強行したことに激しい憤りを禁じ得ない。一刻も早く工事を進めて既成事実を積み重ね、県民を諦めさせようと躍起になっている」と政府を批判。「民意をないがしろにして工事を進めることは、法治国家や民主主義国家ではあってはならないことだ」とも語った。

 菅義偉官房長官は記者会見で「全力で埋め立てを進めていく」と明言。岩屋毅防衛相は記者団に「抑止力を維持しつつ沖縄の負担を軽減するためには、辺野古という方法しかない」と強調した。2022年度とされる普天間飛行場返還は達成困難との認識も示した。(共同)