Friday, December 21, 2018 10:16 AM

ゴーン前会長特別背任疑い 東京地検、3回目逮捕

 2008年のリーマン・ショックで生じた私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたとして、東京地検特捜部は21日、会社法違反(特別背任)の疑いで、前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)=金融商品取引法違反の罪で起訴=を再逮捕し、東京都港区の自宅を家宅捜索した。認否は明らかにしていない。ゴーン容疑者の逮捕は3回目。東京地裁が有価証券報告書の虚偽記載容疑での勾留延長を認めず、21日にも保釈される可能性も出ていたが、勾留はさらに長期化する見通しとなった。

 特捜部によると、ゴーン容疑者はオランダにある自分の資産管理会社と新生銀行(東京)との間でデリバティブ(金融派生商品)の一種「スワップ取引」を契約し損失が発生。再逮捕容疑は08年10月に契約者を資産管理会社から日産に変更し、約18億5千万円の評価損を負担する義務を日産に負わせた疑い。

 また、契約者を日産から資産管理会社に戻した際、信用保証に協力したサウジアラビア人の知人が経営する海外の会社に09年6月〜12年3月に4回、現金計1470万ドル(現在のレートで約16億3000万円)を日産の子会社から入金させ、日産に損害を与えた疑い。特捜部は損失を日産に付け替えた時点で特別背任罪が成立すると判断した。(共同)