Friday, December 21, 2018 10:16 AM

長官辞任、同盟戦略転換も 駐留米軍、縮小へ傾斜

 マティス米国防長官が20日、トランプ大統領に抗議して辞任を発表した。「米国第一」を掲げるトランプ氏の単独主義が加速し、マティス氏が重視した同盟関係を基軸とする米国の国防戦略が転換する可能性もある。駐留米軍は撤収や規模縮小が見込まれ、既に決定したシリアだけでなく、北朝鮮ににらみを利かせる在韓米軍も対象になり得る。

 マティス氏は国防総省が公表した辞表で、米国や同盟国による自由主義陣営の結束と、中国やロシアに対する「共通防衛」の必要性を説いた。ロシアに融和的なトランプ氏には「(私よりも)考えの近い国防長官を選ぶ権利があり、私が辞任した方がいいと思う」と説明した。

 トランプ氏は米軍の駐留を「米国人の血と金の無駄」と捉えてきた。マティス氏の功績についてもツイッターで「同盟国などに軍事的義務を負担させる大きな助けとなった」と評し、米国の負担軽減に力点を置く自らの立場を強調した。(共同)