Tuesday, January 08, 2019 9:35 AM

中国の主導権掌握を警戒 米、膠着状態長期化で

 トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との再会談を模索する中、米政府は金氏の訪中後に北朝鮮の姿勢に変化があるかどうか精査する構えだ。経済面で対立する中国には非核化への積極的な仲介を期待しづらく、米国は膠着状態の長期化に乗じて非核化交渉の主導権を中国に握られる事態を警戒している。

 米当局者らの脳裏には、昨年6月の初の米朝首脳会談前、北朝鮮が米国に対する態度を硬化させた記憶が残っている。金氏が訪中し、習近平国家主席と会談した直後だったため、米側は中国による“入れ知恵”を疑い、トランプ氏は「金正恩氏の態度が少し変わった。良くないことだ」と失望を表明した。

 米政府は、金氏が今月1日に行った新年の辞を詳細に分析。金氏は朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和体制構築に向け、当事国を含めた多国間協議を唱えた。「中国向けの発言」(ワシントン・ポスト紙)であることは明白で、米国は、金氏の意向を踏まえた中国の出方にも神経をとがらせている。(共同)