Wednesday, January 09, 2019 10:00 AM

医師の残業、年2000時間 上限規制で厚労省が制度案

 医師の働き方改革を巡り、2024年4月から勤務医に適用される時間外労働(残業)の上限を規制する厚生労働省の制度案が9日、関係者への取材で判明した。地域医療を担う特定の医療機関は、特例として勤務医一般の上限の約2倍となる「年1900〜2000時間」を35年度末まで認める。

 特例の上限は休日労働を含む。1カ月に換算すると約160時間で、過労死ラインとされる「平均80時間」の2倍。労働者側から強い反発が出そうだ。医師の負担軽減を議論する11日の検討会で示される見通し。

 制度案によると、勤務医一般の上限は「年960時間」。ただ、急激な労働時間の削減となり、地域医療の体制が崩壊する恐れもあるとして特定の医療機関に特例を認めた。対象は、地域ごとに必要な医療に対応できるかを基準に検討。救急や周産期を担ったり、高度のがん治療など専門技術を提供したりする医療機関を想定している。(共同)