Tuesday, January 22, 2019 9:48 AM

ベア重視の交渉脱却 賃上げは多様な手法で

 経団連は22日、2019年春闘の経営側の指針となる経営労働政策特別委員会(経労委)報告を発表した。賃上げ手法は「多様な選択肢の中から検討する必要がある」と明記し、基本給を底上げするベースアップ(ベア)重視の交渉から脱却する姿勢を鮮明にした。働きがいを向上させるための環境整備も求めた。

 連合の闘争方針に対しては「月例賃金の引き上げに強くこだわる姿勢を打ち出している」と指摘。多様な方法による賃上げや、働きやすい環境を整備する処遇改善を「前向きに検討する流れと逆行することを危惧する」と批判した。

 記者会見した経団連の工藤泰三副会長(日本郵船会長)は、賃上げが「個人消費喚起の観点からも重要だ」との見解を示した。一方で、今回は仕事と生活の両立支援に伴う子育て世代への手当の重点配分など、総合的な処遇改善に力点を置いたと説明した。(共同)