Tuesday, January 22, 2019 9:49 AM

平和条約に安保条項を検討 日露、敵対回避目指す

 日露平和条約締結交渉で、日米同盟を潜在的脅威と見なすロシアの懸念を考慮し、両国政府が条約に「安全保障条項」を盛り込む方向で調整していることが22日分かった。将来にわたり「互いに敵対的な軍事政策や行動を取らない」と明文化することが検討されているという。複数の日露外交筋が明らかにした。

 プーチン大統領が強調する「信頼関係強化」を具体化するもので、ロシアには同盟関係にある日米がロシアに敵対する事態を回避する狙いがありそうだ。一方日本には、軍事大国ロシアの脅威を取り除くほか、安保面のロシアの懸念を払拭することで北方領土の返還を促す思惑がある。だが日米同盟の制約につながりかねないため、慎重論も根強いという。

 ロシアは平和条約交渉で「日米安保体制がロシアに及ぼすリスク」を強調している。特に、北方領土が日本に引き渡された場合、米軍が展開する可能性を警戒。日本が導入を決めた米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」についても、米国の世界的なミサイル防衛(MD)網に組み込まれると懸念を表明している。(共同)