Wednesday, January 23, 2019 9:21 AM

「国際貿易体制立て直し」 首相、ダボス会議で訴え

 安倍晋三首相は23日午前(日本時間同日午後)、スイス東部ダボスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で演説し、米中貿易摩擦を念頭に「国際貿易システムへの信頼を立て直そう」と訴えた。消費者や産業活動が生み出すビッグデータの自由な国際流通に向けた議論の必要性を呼び掛けた。技術開発によって地球温暖化対策を進める方針も示した。

 国際貿易体制を巡り、首相は「自由で開かれたルールに基づく国際秩序を保全する決意を固め、強化に打ち込む」と強調。知的財産の保護や自国企業への不公正な補助金支出の是正に向け、世界貿易機関(WTO)の改革を主導するとした。トランプ政権が知的財産権侵害を理由に中国に制裁関税を課し、中国も報復関税で応じる事態を踏まえたとみられる。

 データ流通は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合で取り上げ、議論の場を「大阪トラック」と名付ける案を示した。個人情報を慎重に保護する一方で、匿名データは国境をまたいで自由に行き来させ、技術革新や格差解消につなげる考えを示した。(共同)