Tuesday, January 29, 2019 9:43 AM

首相、厚労相の罷免拒否 統計不正「見抜けず責任」

 安倍晋三首相は29日の参院本会議で、毎月勤労統計の不正調査問題を巡り、野党が要求した根本匠厚生労働相の罷免を拒否した。「根本氏には不足した給付の速やかな支払いや徹底検証、再発防止に全力で取り組んでほしい」と述べた。「誤った処理を見抜けなかった責任を重く受け止めている」と陳謝しつつ、自身への辞任要求も拒んだ。28日に召集された通常国会での与野党論戦がスタートした。

 立憲民主党の風間直樹氏は、統計不正でアベノミクス成功の根拠は崩れたと批判。首相は「再集計で下方修正した数値のみを示して成果を強調したことはない」と説明した。連合による賃金関連の調査を引き合いに「現時点で所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はない」との認識を示した。

 根本氏は、外部有識者でつくる特別監察委員会の聴取に厚労省の定塚由美子官房長らが同席していたことを24日の衆参両院の閉会中審査で明らかにしなかった理由について「官房長から『質問がなかったから答弁しなかった』と聞いている」と釈明した。(共同)