Wednesday, January 30, 2019 9:42 AM

賃金構造統計、虚偽疑い 厚労省「訪問して調査」

 厚生労働省で毎月勤労統計に続いて不正が発覚した基幹統計の「賃金構造基本統計」を巡り、2018年に開かれた同省の有識者検討会の会合で、担当部局が実態と異なる虚偽の説明をしていた疑いがあることが30日、分かった。計画で定めた訪問による「調査員調査」を規定通り実施しているとの資料を提出していたのに、実際には大半の事業所に対して調査票を郵送していた。

 厚労省の担当部署が、本来の訪問調査ではなく、不正な郵送調査を前提に、予算を計上していた可能性があることも分かった。

 調査は自治体や企業を通さず、都道府県労働局や労働基準監督署といった厚労省の地方組織が調査員を直接雇用し、作業を依頼している。厚労省の統計部局職員は取材に「郵送で実施していることを、現場は当然把握していたはず」と証言。不正が長期間、組織的に行われていた可能性が高まっている。総務省は「統計法違反の可能性がある」と指摘しており、厚労省は不正が始まった時期や経緯について内部で調べている。(共同)