Wednesday, January 30, 2019 9:42 AM

一帯一路に「警戒、反発」 中国巡る防衛研報告書

 防衛省のシンクタンク防衛研究所は30日、中国の軍事動向などを分析した「中国安全保障レポート2019」を公表した。経済圏構想「一帯一路」で中国主導の国際秩序構築を目指す姿勢が、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の「警戒、反発を招いている」と指摘。東・南シナ海での「軍事力を背景にした強引な現状変更が不信を高めている」として、国際戦略が順調に進んでいないと明記した。

 「中国を取り巻く国際環境は必ずしも有利になったとは言えない」と結論付けている。

 今回は「アジアの秩序を巡る戦略とその波紋」をテーマに設定した。習近平国家主席が推進する一帯一路について「経済的影響力を政治的影響力に転化させている」と強調。港湾整備を巡り、融資先のスリランカに過剰債務を負わせた事例を挙げ、経済力に物を言わせる「大国外交」が「曲がり角にさしかかっている」との見方を示した。(共同)