Wednesday, January 30, 2019 9:43 AM

英、離脱再交渉要求 EUは拒否、延期検討も

 英下院は29日夜(日本時間30日朝)、欧州連合(EU)との離脱合意案の修正を求める議員提案を賛成多数で可決した。これに先立ちメイ首相はEUに同案の再交渉を求める方針を表明。下院がメイ氏の方針を支持した形だが、EUのトゥスク大統領は声明で、合意案の根幹である離脱協定は「再交渉しない」との姿勢を明確にした。離脱が3月29日に迫る中、経済や社会に大混乱をもたらしかねない「合意なき離脱」が一段と現実味を増した。

 トゥスク氏は、英側が要求すれば離脱延期を検討する用意があると表明したが、メイ氏は予定通りの離脱を目指している。一方で、再交渉に向けEU説得に全力を挙げる。メイ氏は30日、トゥスク氏と電話会談する。

 下院(定数650)が賛成317、反対301の小差で可決したのは、離脱協定のうち、アイルランドとの国境問題が解決するまで英国がEU規則に縛られ続ける余地のある条項を変更することを求めた提案。条項を巡っては、与党保守党の強硬離脱派やメイ政権を閣外から支援する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)が反発していた。(共同)