Thursday, January 31, 2019 9:43 AM

伊藤忠がデサントにTOB 経営で対立、拒否権狙う

 伊藤忠商事は31日、経営方針を巡り対立しているスポーツ用品大手デサントに対し、株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。株式保有比率を3分の1超へ引き上げ、株主総会で重要な決議事項への「拒否権」を握る狙いだ。

 デサントは伊藤忠のTOBに「当社取締役会に対して何らの連絡もなく、また事前協議の機会も無いまま、一方的に行われた」と反発するコメントを発表した。また「(株式の)非公開化を含む戦略的施策の可能性は継続的に検討している」と表明、経営陣による自社買収(MBO)も視野に入れていると明らかにした。

 伊藤忠はデサント株の約30%を持つ筆頭株主。利益の大半を韓国で稼ぐデサントの収益構造などを問題視しており、抜本的な見直しを迫る。TOBについて伊藤忠は「敵対的ではない」としている。(共同)