Friday, February 08, 2019 9:22 AM

更迭幹部、5日後に報告 統計不正、厚労省機能不全

 衆院予算委員会は8日、厚生労働省の統計不正問題を巡り、更迭された大西康之元政策統括官や、再調査に当たる特別監察委員会の樋口美雄委員長を参考人招致して基本的質疑を実施した。大西氏は毎月勤労統計の不正について「昨年12月13日に初めて知った」と説明し、厚労審議官らへの報告は5日後の18日に部下を通じ行ったと明らかにした。後手に回ったのは明らかで、同省の機能不全を浮き彫りにした。樋口氏は監察委の再調査に関する答弁を拒否。真相解明は進まなかった。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は8日の質疑に関し、東京都内で記者団に「真相が解明されたとは言えない。肝心なところで答えない」と強調。野党は週明けの予算委審議で攻勢を強める構えだ。

 樋口氏は質疑で、再調査の内容に関し「今後の(監察委の)検討に影響を及ぼす危険がある」と答弁を回避。立憲民主党会派の大串博志氏は「公平にやっていることを証明するためにこの場で語るべきだ」と批判したが、樋口氏は自らが労働政策研究・研修機構理事長を務めることを踏まえ「理事長として予算委に招致されている」と繰り返した。(共同)