Thursday, February 14, 2019 9:36 AM

厚労省説明は15年3月末 勤労統計、首相秘書官に

 菅義偉官房長官は14日の衆院予算委員会で、毎月勤労統計の調査対象事業所の入れ替えに伴うデータ変動を巡り、厚生労働省の担当者が首相秘書官に説明したのは2015年3月末だったと明らかにした。首相秘書官は現在、財務省関税局長を務める中江元哉氏で、4月発表分からデータに変動があると事前説明を受けた。

 厚労省が中江氏に報告したのは、15年1月分の毎月勤労統計の確報値など。実質賃金は前年同月比マイナスだった。野党は、官邸がアベノミクスの効果を演出するため、毎月勤労統計の数字が上向くよう調査の在り方などの見直しを要求したのではないかと追及。立憲民主党会派の大串博志氏は「実質賃金が高く出るような改善を求めたのではないか」と指摘した。

 菅氏は、中江氏が厚労省側に語った内容について「専門家の意見を聞くなど、実態を適切に表すための改善の可能性などについて問題意識を伝えた」と述べるにとどめた。中江氏に事前説明したのは、厚労省の総括審議官だとした。(共同)