Tuesday, February 19, 2019 9:40 AM

精神科調査、非開示相次ぐ 自治体、閉鎖性助長の懸念

 全国の精神科の医療機関を対象に患者の身体拘束の状況や入院期間などを調べている国の調査を巡り、従来は情報公開請求に対し病院ごとの調査結果を開示していた自治体の中で、一転して非開示や一部のみ開示とする例が相次いでいることが分かった。

 厚生労働省が自治体に出した通知や、開示に反対する病院団体の意向が影響したとみられる。「実態が見えなくなり、精神科病院の閉鎖性が進みかねない」との懸念が出ており、有識者らでつくる「精神科医療の身体拘束を考える会」は19日、是正を求める要望書を厚労省に提出した。

 この調査は毎年6月末の状況を調べるため、厚労省が都道府県と政令指定都市を通じて実施。各地の市民団体が情報公開制度を使って病院ごとの調査結果の開示を受けていた。患者数や入院期間のほか、身体拘束や隔離されている人数などが分かり、医療の質を判断する材料になっていた。(共同)