Wednesday, February 20, 2019 9:38 AM

新型がん免疫製剤を了承 人工遺伝子で白血病治療

 厚生労働省の専門部会は20日、一部の白血病を治療する新型の細胞製剤「キムリア」の製造販売を了承した。人工遺伝子で患者の免疫細胞の攻撃力を高める「CAR-T細胞」を利用した国内初の治療法で、3月にも正式承認され、5月にも公的医療保険が適用される見通し。臨床試験(治験)で既存の治療法が効かない患者にも効果が得られたことから注目を集めており、他のがんに応用する研究が世界的に活発になっている。

 欧米では既に承認されているが、米国では1回の治療が5000万円以上に設定され、高額な費用が問題となっている。日本でも今後、価格が決定されるが、高額薬として知られるがん治療薬「オプジーボ」よりも高くなる可能性がある。利用できるのは、抗がん剤が効かなかった人などに限定しており、年間250人程度と見込まれる。

 CAR-T細胞はキメラ抗原受容体T細胞の略。患者の血液から免疫を担うT細胞を採取し、さらに人工的に作った遺伝子を導入して作製する。これを点滴などで患者に戻すことで治療する。遺伝子をうまく設計することによって、特定のがん細胞にくっつきやすくし、攻撃力を高める。(共同)