Friday, March 08, 2019 9:34 AM

IHI、不正検査211件 内部告発見過ごし

 IHIは8日、民間航空会社から受託しているエンジン整備の無資格検査問題で過去2年分の記録を調べた結果、エンジン13基の整備や部品修理で211件の不正を確認したとの中間報告を発表した。不正は少なくとも2017年1月から続いており、18年4月に内部告発があったが見過ごされた。航空機エンジンの整備で求められる安全性が軽視され、品質管理体制が厳しく問われそうだ。国土交通省は既に今回の中間報告を受けており、さらに詳細な報告を得た上で航空法に基づき処分する。

 石井啓一国交相は8日の衆院国交委員会で、国内の同業8社に同様の不正がないか調査し報告するよう7日に指示したと明らかにした。報告期限は4月5日。

 満岡次郎社長は東京都内で記者会見し「航空会社など関係者にご迷惑をお掛けし、深くおわびする」と謝罪した。IHIは国交省認定のエンジン21基や部品などを対象に計4万件の検査記録を調べ、各国の航空局やエンジン製造会社に不正を報告した。ただ他の検査工程で安全性が確認されており、現時点で機能や性能に問題はないとの認識だ。(共同)