Tuesday, March 12, 2019 10:50 AM

トヨタ労使、決着持ち越し 交渉難航、異例の展開

 トヨタ自動車は12日、2019年春闘の労使交渉の最終協議に入った。ただ経営側は先行きの不透明感を背景に大幅な賃上げに慎重で、決着は集中回答日の13日に持ち越した。回答日の前日までに妥結しないのは異例。日産自動車やホンダなど他の自動車大手の労使も回答日に向けて詰めの交渉を実施した。

 トヨタはこれまでの協議で、組合側が一律分の賃上げ確保にこだわる一方、経営側は慎重姿勢を見せるなど考えに差が目立っていた。豊田章男社長が「(経営陣と従業員の間で)危機感への認識に大きな溝がある」と指摘する場面もあった。

 トヨタ自動車労働組合は、定期昇給やベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を合わせ、期間従業員らを含む全組合員1人平均で月額1万2千円の賃上げを求めている。前年の回答を300円上回る。ベアの具体額は要求に示していない。6・7カ月分とした年間一時金(ボーナス)は満額回答を強く求める。(共同)