Friday, March 15, 2019 10:21 AM

国民生活改善を強調 中国首相、景気減速で

 中国の李克強首相は15日の記者会見で、少子高齢化対策や雇用創出など国民生活に身近な問題に率先して取り組む姿勢を示した。企業の人員削減など景気減速の痛みが広がる中、中国政府は国民の不満の解消に力を入れるとアピールした。一方で、貿易摩擦で対立するトランプ米政権を刺激する発言は避けた。

 「老人100人当たりのベッド数は三つだけだ」。李氏は、急速な高齢化によって介護施設が不足していると指摘。介護サービスの利用者の負担軽減などを進めると訴えた。託児所不足の解消にも努めるとした。

 また鉄鋼の過剰生産能力の削減といった構造改革によって「失業の波」が起こらないようにすると明言。雇用を創出した企業を優遇するとした。4億人規模の高血圧、糖尿病の患者を対象に、診察や薬の費用の一部を国が負担する方針も示した。(共同)