Wednesday, March 20, 2019 10:31 AM

複数の交通系IC対象外に 消費増税のポイント還元

 政府が消費税増税に合わせて導入を予定しているキャッシュレス決済のポイント還元制度で、JR北海道の「Kitaca(キタカ)」や、JR東海の「TOICA(トイカ)」、福岡市交通局の「はやかけん」など複数の大手交通系ICカードが対象外になる見通しとなったことが20日、分かった。多額のシステム改修費用や導入までの期間が短いことなどから、発行元が参加を見送る方針のため。同様の動きが他の交通系にも拡大する可能性がある。

 交通系ICカードは普及率が高く、交通系以外にキャッシュレス決済の手段を持っていない消費者もいる。還元の対象にならなければ、地域や決済手段の違いによる不公平感を招きそうだ。増税後の消費を喚起するという政策効果が限定的となることも考えられる。

 JR東海は「鉄道での利用が中心なため、ポイント還元制度への参加を見送る方針」と説明。福岡市交通局は、制度に参加しないことを正式に決めた。名古屋地区でmanaca(マナカ)を発行している名古屋交通開発機構も制度への参加見送りを検討している。(共同)